
「古き良き時代への時感旅行」を掲げ、武家屋敷でまさにタイムスリップしたような滞在がかなう、奥日光・湯西川温泉の「湯西川温泉 桓武平氏ゆかりの宿 揚羽〜AGEHA〜」。館内は美術館のように、貴重な美術品・骨董品が置かれる唯一無二の空間です。さらに、清流を望む貸切温泉露天風呂など10種類の温泉のほか、名物の囲炉裏料理などが癒やしのひと時へいざないます。「楽天トラベル ブロンズアワード2024」「楽天トラベル 日本の宿アワード2024」にも選出され、その人気は折り紙付き。そんな「湯西川温泉 桓武平氏ゆかりの宿 揚羽〜AGEHA〜」についてご紹介します。
歴史
300年以上の歴史を持つ由緒正しき源泉湯宿

壇ノ浦の合戦に敗れて逃れてきた平家落人が傷を癒やしたと伝えられる「湯西川温泉」。そんな秘境にたたずむこの宿は、その伝承を受け継ぐ、桓武平氏(穐屋貞正)初代が江戸時代初期の1718年に創業しています。300有余年の歴史を誇る老舗の源泉湯宿だからこその、歴史を感じられる唯一無二の特徴が至る所に。まずは、上田謙信公ゆかりの寺院から譲り受けた山門(寛永年間1624~1644年)がお出迎え。

宿のコンセプトは「古き良き時代への時感(じかん)旅行」。実際に使われていた武家屋敷を移築しており、日本の伝統建築を肌で感じられます。また、館内のいたる場所には美術品や時代たんす、欄間など、約1,000点の骨董品がさりげなく置かれており、非日常感がたっぷり。
宿までは、東京・浅草から東武鉄道特急電車で「湯西川温泉駅」まで約150分、駅から最寄りバス停「平家の庄」までは約20分、バス停から徒歩約1分で宿に到着。鬼怒川温泉や日光での観光を兼ねた宿泊にもおすすめです。
フロント・ロビー
貴重な骨董品が並ぶフロントでチェックイン

仁王像や天狗、鶴の置物などに迎えられ、フロントへ。宿の名前の由来となっている、桓武平氏の流れをくむ当主の家紋「丸に揚羽蝶」ののれんが印象的です。

フロントの横には、420年前の鎧兜(よろいかぶと)武具・蒔絵(まきえ)・古伊万里・日本の灯火器など、貴重な天正時代(1573~1591年)の品が展示されていました。
博物館のようなロビーラウンジ

チェックインを終えたら、ロビーラウンジで一息ついてから客室へ。推定樹齢200年と言われる巨大な木彫りのワシの置物が鎮座しています。

ロビーラウンジにも巨大な獅子頭を始めとする美術品の数々が並び、どれも迫力満点で趣きを感じます。同じくロビーラウンジにある、「古民家BAR」では、ウエルカムドリンクと、朝食後のコーヒーをいただける、うれしいサービスも。
客室
客室は、「古民家客室(特別室)極~Kiwami〜」、数寄屋造の「囲炉里造りの客室」、「土壁造りの客室」の3種類があり、どれも特色が異なります。武家屋敷として昔使用されていた古民家を最大限に活かしながら、最新の設備を整えており、快適に過ごせます。
古民家客室(特別室)極~Kiwami〜

おすすめの客室は、1日3組限定の特別室「究極の武家屋敷 極〜kiwami~」。日光東照宮の修繕も手掛けた宮大工によって、2019(令和元)年にリニューアルされたこだわりの客室です。日本の伝統建築を生かした造りが、落ち着いた雰囲気を演出します。

窓辺の囲炉裏スペースに座れば、湯西川の渓谷が眼下に広がります。川のせせらぎを聴きながら、ゆっくりと四季折々の風景を楽しみましょう。
土壁造りの客室

まるで平安時代のお姫様になったような気分を味わえるのが「土壁造りの客室」。全室、リバービューなのもうれしい!


「囲炉裏づくりの客室」も細部までこだわりが。昔懐かしい雰囲気は、里帰りをしたような落ち着きと癒やしを感じられます。
温泉大浴場
まさに温泉天国!湯めぐり茶屋のメインとなる温泉大浴場

この宿の魅力のひとつは、ほのかに硫黄の香り漂う天然温泉が湧いているところ。泉質はアルカリ性単純温泉で、角栓を溶かすとされ、「美肌の湯」とも呼ばれています。源泉温度56.2度、pH9.3、湯量は毎分319リットルという、豊富な湯量も自慢です。この宿の湯は「湯めぐり茶屋」と称され、十種類もの湯船が用意されています。15:00から翌朝の9:30まで、夜を通して入浴でき、湯めぐりを満喫するために訪れるリピーターも少なくありません。

「湯めぐり茶屋」のメインとなるのは、温泉大浴場とその奥に設けられた露天風呂。男性の大浴場の内湯は「御所の湯」、女性用の内湯は「子宝の湯」です。江戸時代より「天狗が湯の守り神」との伝承があることから、双方に天狗の面が飾られています。

内風呂の外には、男性用温泉露天風呂「石庭の湯」と女性用「石単の湯」が。川のせせらぎを聞きながら、ゆっくりと湯につかれば、日頃の疲れも吹き飛びます。
6つの絶景貸切温泉露天風呂

大浴場につかったら、貸切露天風呂めぐりといきましょう!この宿の貸切露天風呂は離れになっており、湯回廊を通ってそれぞれの貸切風呂を巡れるような演出に。

湯めぐり茶屋会員になると、通年無料で宿泊時に貸切露天風呂を利用することが可能。フロントにて会員証を提示すると、すべての貸切露天風呂を利用できる湯めぐり鍵が渡されます。一晩でいくつもの貸切露天風呂が堪能できると好評です。予約もいらず、追加料金もかからずに6つの貸切露天を堪能できるとは、なんともぜいたくですね。


すべての貸切露天風呂は湯西川沿いに配置されており、異なる趣向や景観を持っているので、すべての貸切露天風呂に入りコンプリートしたくなります。お気に入りの貸切露天風呂を探してみるのも、この宿ならではの楽しみ方。会員登録した本人がいれば、家族や友人も一緒に利用できるのも、何度も訪れたいと思うポイントかもしれません。
夕食
名物の囲炉裏料理や「かまど」を使用した秘伝の武家料理

旅のハイライトのディナーや朝食は、囲炉裏ダイニング「蔵」で。このダイニングも日光東照宮匠の宮大工により、築150年の旧栗山村の村長邸(平姓大類家)を移築再生した、こだわりの空間です。日本の伝統的な調度品の数々が、さらに風情を生み出しています。

ここで味わえるのは、名物の囲炉裏料理や、「かまど」を使用した秘伝の武家料理、地産の食材をふんだんに使った創作郷土料理のブッフェ。

炭火焼の川魚や下野地鶏の香りがたまりません。

湯西川温泉の地には四季折々の素晴らしい山の幸、川の幸があります。この山里の恵みに一手間掛けて、食材の味を引き出した、他では味わえない季節感あふれるメニューの数々が並びます。ブッフェ形式ですので、好きなものを、満足するまで好きなだけいただきましょう。
温泉天国で非日常感を満喫する旅を

地元生まれのスタッフの方々に心づくしのおもてなしをいただき、帰るころには「すぐにまた来たい」と思ってしまう、心の故郷のような宿でした。温泉と非日常感に癒やされるこの宿で、極上のひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか?
湯西川温泉 桓武平氏ゆかりの宿 揚羽〜AGEHA〜
- 住所
- 栃木県日光市湯西川727
- アクセス
- 会津鬼怒川線「湯西川温泉」駅下車、バスで約20分
東北道「宇都宮」IC→日光宇都宮道路「今市」ICより車で約50分 - チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン:18:00)
- チェックアウト
- 10:00
- 総部屋数
- 50室
撮影・取材・文/北川りさ